CSV:#3 カテゴリ分類①

はじめまして、パースペクティブの山上です。

CSVのカテゴリ分類について、2回に分けて発信していきたいと思います。

CSVのカテゴリ分類とは?

今回のテーマとなっている"CSVのカテゴリ分類"は、GAMP5における付属資料M4の中で「ソフトウェアのカテゴリ」として紹介されています。また、厚生労働省が2012年に施行した「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」(以下、適正管理ガイドライン)では1.3章で「カテゴリ分類」の必要性が述べられ、さらに別紙2で「カテゴリ分類表と対応例」が示されています。適正管理ガイドラインのカテゴリ分類はGAMP5をベースに定義されているため、GAMP5と適正管理ガイドラインの両者間でカテゴリ分類に対する考え方に違いはありません。

CSVの目的は、医薬品・医療機器業界において、コンピュータ化されたシステムがユーザの要件を満たしていることを検証して、その品質を保証することです。(参考ページ:「CSV:#1 CSVとは」)
対象となるシステム・ソフトウェアについてどの程度のCSV活動を実施すればよいか?の判断指標となるのがカテゴリ分類であり、その意味でカテゴリ分類はCSV実施上の重要ポイントの一つであると言えます。

適正管理ガイドラインではソフトウェアのカテゴリ分類を以下のように定義しています。

1.3 カテゴリ分類
このガイドラインの適用を受けるコンピュータ化システムについては、開発、検証及び運用の各段階において実施する内容を決定(「4.3システムアセスメントの実施」を参照)するために、システムを構成するソフトウェアの種類に応じて、あらかじめソフトウェアカテゴリを決定するものとする。

カテゴリ分類とはソフトウェアのリスク分類の一つであり、ユーザによるソフトウェアの変更度合いが大きくなるほど、カテゴリの数字が大きくなり、ソフトウェアに欠陥が含まれるリスクが増大します。

  • カテゴリ1:基盤ソフト
  • カテゴリ2:(このカテゴリは使用しない)
  • カテゴリ3:構成設定していないソフトウェア
  • カテゴリ4:構成設定したソフトウェア
  • カテゴリ5:カスタムソフトウェア

CSVの対象となるコンピュータ化システムは、カテゴリ3・カテゴリ4・カテゴリ5のいずれかに分類されることとなります。

カテゴリ2は、「GAMP5との整合性を考慮して使用しない」とされています。GAMP5の前身であるGAMP4では、ファームウェアが該当していたのですが、技術の進歩とともにカテゴリ3・カテゴリ4・カテゴリ5のいずれがに分類できるようになってきたことがその理由です。

なお、カテゴリ1に分類されるITインフラストラクチャについては、PIC/S GMPガイド Annex 11では、「IT infrastructure should be qualified」(適格性評価を実施すること)とされています。

次回の記事では具体例を交えながら実際のソフトウェアに置き換えて説明していきます。

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